ヒトカノ

人さまの旦那さんが彼氏。その道をあゆむオンナの胸のうち。

愛人、日かげの存在

わたしの彼。

 

光をあびて、表の舞台に立つ人。

社会的に地位のある人。

人々の上に立つ人。

 

 

わたし。

 

関係を公にしてはいけない存在。 

なにも持っていない人。

誰かの影に隠れる人。

 

いっしょの部屋にいるときは二人の世界になってしまうから、つい忘れてしまう。

でも、一歩外に出ればあまりにもいる世界がちがう。

 

生きてきた時間も、経験した出来事も、成し遂げたことも。

あなたとわたしは、月と石ころくらいちがう。

 

外の世界であなたを離れたところから見つめるとき、

どこか遠くへ行ってしまったような、越えられない川の向こうにいるように感じる。

 

わたしは、その場から動くことは許されない関係だから、

できることはただ、人々の輪の中のあなたを見つめるだけ。

そんな自分に卑屈になって、消えてしまいたくなるような闇に覆われる。

そのあとにすぐ、二人でいた世界は夢で、幻を見ていたんじゃないかってこわくなる。

 

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あなたが愛してくれているのはとても感じている。

大切にされているとも思う。

だけど、いつまでたってもこんな気持ちが消えることがないのは、

二人の間にはつなぎとめる何かがないから。

 

あなたは自分の血が流れるお子さんがいて、

社会上婚姻関係で結ばれた奥さんがいる。

そこに愛や情が存在するかは別として、

とても強固な鎖でつながった絶対的な存在。

 

わたしは、ただの他人。

何でもないただの他人。

 

日かげの存在なんてことはわかった上なのに、

ときどき、とても虚しくて、こわい。

 

お天道様の下を歩けないことがこんなにも苦しいことだと、

もっと早くに知っていたのなら。

それでもわたしはヒトカノを選ぶのか今は自信がない。

 

だけど、今の私が唯一できること。

この苦悩でさえも誰かの役に立てたら。

この世に確かにいる日かげの存在のひとりとして、発信していく。